建物賃貸借契約の解約まとめ 普通借家、定期借家の違いなど
建物の賃貸借契約の解約については、民法、借地借家法それぞれの解釈があるため複雑怪奇で、
「結局解約の時のルールは、どれを適用すればいいの??(^^♪」
となりやすいです。
現に筆者も一度理解をし、しばらくして忘れ、再度理解して忘れという定着と忘却の無限ループに絶賛嵌まっております^^
しかも忘れてしまうと、ネットに散らばっている情報を集めるために、その都度複数のサイトを渡り歩かねばなりません。
そこで、今回ついに一覧でまとめます!(おそすぎ^^)
皆さんもこれを読んで、是非解約マスターとして各々の不動産賃貸借物件に君臨してください。
(参考)用語
貸主:建物を貸す側の人。オーナーや不動産屋など。
借主:借りる側の人。住む人、事務所開設する人など。
普通建物賃貸借(普通借家):普通の契約
定期建物賃貸借(定期借家):普通借家では、契約期間終了時に、貸主の要望だけでは解約できない(自動更新となる)。それを様々な制約をつけることで解約できるような形態としたのが定期借家
1.普通建物賃貸借契約の解約
①期間の定めのない契約
・原則
当事者は、解約を申し出ることができる。
貸主 | 借主 | |
---|---|---|
条件等 | ・解約申入れから6か月で終了 →借地借家法第27条 ・正当事由が必要 →借地借家法第28条 |
解約申入れより3か月で終了 →民法第617条 |
・契約書文中に特約あり
貸主 | 借主 | |
---|---|---|
条件等 |
短縮特約:無効 延長特約:有効 |
短縮特約:特約に従う 延長特約:時と場合による |
特約のうち、借主の延長特約については、借地借家法は「借主に不利な条項は無効」としか定めておらず、民法でも触れられていません。(あちゃ~)
ゆえに、「最新の判例」が最も信頼できる基準ということになります。
ちなみに、「借主からの解約は6か月前までとする」旨の特約が、最新の判例では有効とされています。
②期間の定めのある契約
・原則
当事者は、解約を申し出ることができない。
・契約書文中に特約あり
貸主 | 借主 | |
---|---|---|
条件等 |
短縮特約:無効 延長特約:有効 |
短縮特約:有効 延長特約:時と場合による |
※ 借主の延長特約については上述に同じ。
2.定期建物賃貸借契約の解約
定期借家については期間は必ず定められています。(そもそもの定期借家の定義として)
・原則
当事者は、解約を申し出ることができない。
(特例:200㎡以下の居住用建物のみ中途解約権を有する。)
・契約書文中に特約あり
「期間の定めのある普通借家」と同様
以上の通りです。
契約書に特約が記載されていても鵜呑みにはできないということですね。
立場の弱い側である「借主保護」のためにそういった法律になっています。
3.余談(正当事由について)
正当な理由があれば貸主(オーナー)も解約できるじゃん!
と一見思いがちですが、正当事由=余程の事情 とされてます。
例
・建物崩壊
・耐久年数超過による建替え
貸主の方はここだけ注意です。
ではごきげんよう!